最後の言葉掛けの重み

いよいよ本番を残すのみ。

今さらじたばたしないことが何より大切。
今日できないことはもう出ないと腹をくくる。
気持ちよく、ベストな状態で子どもを送り出しましょう。

私も今では偉そうなこと言っていますけど、
自分の子どものときには失敗もありました。
20年以上も前のことですが、まだ引きずっていることもあります。

それは、「最後の言葉掛け」です。

第一志望でも何でもない、
日にちが空いているから受ける程度の学校でのこと。
受付で、在校生がゼッケンを渡していました。

「おはようございます…」

子どもがそう言ったとき、
「もっと大きな声でご挨拶しなさいっ!」
つい、些細なことで声を荒げてしまいました。
どうしてもっと気持ちよく送り出してあげなかったのだろう…。

ゼッケンを受け取った子どもは、
在校生に手を引かれ、そのまま試験会場へ。

その後ろ姿。

肩を落としているようでした。
シュンとしぼんだ心が見えるようでした。
今もはっきり脳裏に残っています。

最後の言葉を胸にしまって、子どもたちは考査を受けます。
その大きさを、しっかり受け止めていただきたいと願います。

たとえば、羽目を外すのが心配な子どもには、
「おふざけしたくなっても我慢ができる魔法だよ」などと言って
ちょっとしたおまじないを掛けて送り出す。

人見知りの子どもには
「いっぱいお友だちができる、楽しいお部屋に行くんだよ」
と安心できる声掛けをする。

リーダータイプの子どもには
「困っているお友だちがいたら、あなたが助けてあげてね」
などと良い面が引き出せるようにする。

子どもの長所、短所をよくよく考え尽くして、
子どもの心にしっかり残る最後の言葉を選んでおきましょう。

子どもが安心して、落ち着いて、
自分の良さが最大限発揮できるよう、
キラキラ輝く子どもでいられる魔法の言葉を掛けてあげてください。

合否を決めるのは、お母様の最後の一言かもしれません。

2020年10月15日