お受験まで2か月半。残り時間の過ごし方が合否を分ける。

夏休みも残りの方が少なくなりました。
夏が終わるとお母さま方のピリピリはピークに達します。

「あれをやりなさい!」、「どうしてこれができないの!」、
「早く、早く!!」、「もっと、もっと!!」…。

子どもたちも様子を察し、身につけた処世術を発揮して
お母さまを刺激しないよう大人しく振る舞い始めます。

これ、実に危険をはらんでいます。

考査当日、お母さまに「行ってまいります」のご挨拶を済ませた子どもたち。
久方ぶりにお母さまの目から離れ、体中が開放感に満たされるのを感じます。
「清々した」とはこの瞬間のことでしょう。

時間とともに緊張感も薄れ、行動観察が始まる頃には友だちとも打ち解け、
羽目が外れる音があちこちから聞こえてきます。

狭い教室を走り回り、友だちとじゃれ合い、大きな声でふざけ、
突如天から与えられた自由な時間を思いきり満喫します。
ああ、人生って楽しい!

そして考査が終了。
楽しさの余韻を残して教室を後にしたものの、
待ち構えるお母さまに「どうだった?」、「ねえ、どうだったの?」と詰め寄られ、
はっと我に返る。
ま、まずい。ヤバ過ぎる。
バレたらママに殺される‥。

命を守るために「うん、まあまあ」などと取り繕いますが、
「どんな問題だったの?」、「あなたは何をしたの?」、「なんて答えたの?」
矢継ぎ早の尋問に、バレるのはもう時間の問題。

「なんで!」、「どうしてそんなことしたの!!」、
「すべてが台無しだわ!」、「あなたの人生なんかもうおしまいよ!!」。

お母さま、取り乱すのは、せめて校門を出てからにしてほしかった…。

これは毎年繰り返される典型的な悲劇のパターンです。
ここには多くの教訓が含まれています。

子どもを追い詰めないこと。

夏までは頑張る。
秋になったら意識して遊ぶ時間を大切にし、
子どもが発散できる環境を整える。

お勉強はもう新しいことはやらない。
今までのことを忘れない程度に、毎日決まった量だけやる。

そして何より、子どもが心から「大好き!」を思えるママでいること。

残り少ない時間、あれもこれも詰め込もうと欲張るのではなく、
親子の楽しい時間を最優先に過ごすことの方がずっと大切。
本番まで、ぜひとも笑顔でお過ごしください。

2020年08月13日