絵画上達法~合格する母親になるために~

人気の慶應幼稚舎、早実、あるいは東京女学館など、、
絵画が出題される小学校は多くあります。
絵画は子どもによって好き嫌いの振れ幅が広い課題です。
そして、好きこそものの上手なれで、好きな子はどんどんうまくなり、
上手な子の絵を見て衝撃を受け、膝から崩れ落ちるお母さま方も多くいます。

そうするとどうなるか。

「〇〇ちゃんは絵が下手なんだから、
(だいたい、こういうネガティブ表現を使うことが問題)
今日からは毎日1枚、必ず絵を描きなさい!」

こういった押しつけに遭遇すると、子どもは間違いなく身を守ろうとします。
ダンゴムシが丸まって固くなり、敵の攻撃を阻んでいる状態です。
強制が生むものは拒否、拒絶です。
かえって「自分は絵が嫌いなんだ」と認識させ、絵から逃れようとします。
そこに成長はあり得ません。

自発的に楽しんで描く。好きになる。
これが絵画上達のたった一つの道です。
お母さまの仕事は、強権を発揮して子どもを支配することではなく、
「絵が描きたいな」と子ども自ら思うような仕掛けを作ることです。

旅行に出掛けたり、ディズニーランドへ連れて行くことではありません。
たとえば幼稚園の帰り道、ふと見た花や虫に関心を持ち、
家に帰って子どもと一緒に図鑑などで調べてみる。
「パパにも見せてあげたいね」、「2人で絵を描いて見せてあげようか」など、
楽しい時間の中で、「やりたい」という気持ちを持って描く。

はじめは模倣でかまいませんし、
「そうじゃない」と思っても、そこはこらえて否定語は口にしない。
ともかく自由に楽しく描き、成功体験を積むことです。

そして、お父さまに写メでも送り「上手になったね~」などと大げさに騒いでもらう。
「また描いてね」とお土産にクレヨンの1箱も買って帰ってくれれば大成功でしょう。
しばらく絵を冷蔵庫にでも貼って、
ほめられた喜びを反芻できるようにしておくこともお忘れなく。

もちろん上手に越したことはありませんが、美術学校に入る訳ではないので、
絵そのものが合否を分けることはまずありません。
絵から透けて見える子どもの創造性や考え方、取り組み姿勢、
あるいは映し出される家庭のあり方。
学校が見ているのはそういった「絵の向こう側」です。

物事を上達させるのは、自らやりたいと思う前向きな気持ちです。
子どもの意欲を上手に引き出すお母さまこそ、
「合格するお母さま」と言えるでしょう。

2020年07月23日