面接で爪あとを残す!(6)

~丸暗記、心に響かず~

お教室で叩き込まれた
「面接での正しい立ち居振る舞い」、
「この質問の答え」
なぜそんなに必死に丸暗記するのですか?

そこには「たった一つの正解がある」という前提が存在します。
本当にそんなもの、あるのですか?
そこから一つでも間違えたら即アウト、
正解を言えなかったらはい、おしまいという決まりでもあるのですか?

面接は、人と人がこの先の長い時間を
同じ価値観でやっていけるかを互いに確認し合う場です。

そこには、お教室の言うところの失敗なんてありません。
失敗があるならカバーすればいい。
それだけのこと。
予期せぬ展開の中にこそ、
「素敵なご家庭だな」と感じさせてくれるものがあるのです。

数日前の面接指導で、お母さまの話が質問とかみ合わず、
「えっと、何の話だったっけ?」となりました。
お母さまも混乱し、横のお父さまに目をやりました。

お父さまはまずはとても温かい笑顔でお母さまを包み、
次に面接官に「よろしいですか?」といった表情を向けられました。

その上で、
「家内は大変に子どもに愛情を注いでいて、
今はこういう話をしてくれていました。
それについては私も日頃から、とても感謝をしているところです」
そうにこやかに話され、そこからは互いを尊重し信頼し合う様子が
印象的に伝わりました。

あまりにもスムーズな模範解答ばかりの面接は、
家庭の良さアピールする機会を逸失しているとも言えます。
可もなく不可もなし。
丸暗記心に響かず、とでも言いましょうか。

ピンチはチャンス。
失敗したらそれをチャンスに変えればいい。

教え込まれたことにがんじがらめになっていては
緊張が増して何も伝わらない面接になってしまいます。
リラックスして笑顔で臨み、
普段通りの素敵な家庭をアピールしていただきたいと願います。

2020年09月27日